歯に出来た白い斑点、特に目立つわけでは無いけど一度気になったら鏡を見る度に思い出す、歯のコンプレックス。この白い斑点は何なのでしょうか？
この白い斑点はホワイトスポットと言います。ホワイトスポットが出来る原因は2つ考えられます。 一つは「初期虫歯」。むし歯といえば黒い穴のようなものを想像しますが、実はその始まりが、白い斑点であることがあります。歯の表面からミネラル分が溶けだす脱灰という状態です。脱灰を起こすと歯は光沢を失い、白くにごり始めます。これが初期のむし歯になり、徐々に穴が空いて黒くなってきたものが皆さんの知っているむし歯と同じ状態です。しかし脱灰を起こしたからといって必ずむし歯が進行するわけではありません。脱灰は再石灰化（フッ素を用いたり、唾液による自浄作用等）によりむし歯の進行を抑制することができます。

もう一つはエナメル質形成不全です。
エナメル質形成不全には、遺伝的要因と局所的要因があります。
遺伝的要因
母親の妊娠期に栄養障害、内分泌異常、感染、代謝異常、特定薬物の長期服用、ホルモン異常、ビタミン不足などで歯の形成が一時的に阻害されることにより起こります。

局所的な要因

萌出する永久歯の前の乳歯に影響される事があります。
乳歯を強くぶつけた場合、乳歯のむし歯が大き根の先が化膿した場合、永久歯に影響が出て、エナメル質形成不全が見られる事があります。

これらにより、歯の表面の「エナメル質」が正常に形成されない病気の為に出来る白い斑点です。 エナメル質形成不全の場合、初期のむし歯と違って、再石灰化による治癒は期待出来ません。そのため、エナメル質形成不全によるホワイトスポットで悩まれておられる方は、長期間その悩みを抱えておられる方も少なくありません。

これらのホワイトスポットのうち、エナメル質形成不全は、エナメル質表面ではなく、エナメル質内部で起こっている場合が多いため、削らずに治す事は難しいので、白斑部分だけを削って樹脂（レジン）を詰めたり、歯の表面を全体的に薄く削ってセラミックを貼り付けるラミネートベニアで対応する等の治療になります。

初期虫歯から起こるホワイトスポットは、削らずに治せる可能性が高いです。
アイコンと言う薬剤を使い、白斑している部分を薬剤で綺麗にしてから、アイコン樹脂を浸透させる方法です。
白斑の程度にもよりますが、ほぼ1回の通院で治す事が可能です。治療後は白斑がほぼ無くなり綺麗になりますし、虫歯の予防効果が同時に高くなりますが、ホワイト材が浸透しなくなるため、白くする事は難しくなります。
ホワイトニングしたい方は、ホワイトニング後にホワイトスポットを除去する必要があります。ただし、ホワイトニングするとホワイトスポットがより目立つ場合がありますが、その後のホワイトスポットの除去により目立たなくなります。同日にホワイトニングとホワイトスポットの治療は避けた方が良いです。

通院回数:2回（1回目は初診カウンセリング、2回目に治療）
費用:33,000円（税込）/1歯、２歯目以降22,000円（税込）/1歯