原因に応じて、以下のような治療が行われます。
薬物療法
ステロイド軟膏や抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬、鎮痛薬などを使用します。
栄養補給
ビタミンB群や鉄分、亜鉛などを補うことで、治癒を促進します。
局所処置
うがい薬やレーザー治療で患部の炎症を抑えます。
入れ歯や歯の修正
慢性的な刺激源がある場合は、調整や再製作が必要です。
全身疾患の治療
根本的な疾患がある場合は、医科と連携して全身管理を行います。
がんの場合
がんの種類や進行度に応じて、外科手術・放射線治療・化学療法などを検討します。
口内炎が治らない

通常、口内炎は1~2週間程度で自然に治癒することが多いですが、もし2週間以上たっても治る気配がなかったり、むしろ痛みが悪化してきたりするような場合は、何らかの異常が潜んでいる可能性があるため注意が必要です。
長引く口内炎の背景には、単なる炎症ではなく、全身の病気や悪性疾患が隠れていることもあるため、決して軽視してはいけません。特に、「治りにくさ」「繰り返し」「悪化傾向」などの特徴がある場合は、専門的な視点での診断が重要です。ここでは、「口内炎が治らない」という状態をテーマに、その原因や疑われる疾患、必要な検査、適切な治療法について、わかりやすくご紹介します。
口内炎がなかなか治らないとき、その背後には実に多くの要因が隠れていることがあります。
物理的刺激
合わない入れ歯や被せ物、尖った歯、歯の詰め物の段差などによる慢性的な刺激が、口内の粘膜を繰り返し傷つけ、結果として口内炎の治癒を妨げる要因になります。刺激が持続することで炎症が慢性化し、通常よりも治りにくくなることがあります。
栄養不足
ビタミンB群や鉄分、亜鉛などの栄養素が不足すると、粘膜の修復がスムーズに行われず、口内炎の治癒が遅れることがあります。偏った食生活や極端なダイエット、消化吸収の障害が背景にある場合もあり、体の内側からのケアが必要です。
免疫力の低下
ストレス、疲労、睡眠不足、風邪、過労、さらには慢性的な持病などが原因で体の免疫力が低下すると、体内での炎症のコントロールが難しくなり、口内炎の治癒が遅れることがあります。免疫力が落ちることで細菌やウイルスへの抵抗力も弱まり、口内環境が不安定になりやすくなります。
ウイルスや真菌の感染
ヘルペスウイルスやカンジダ菌などの病原体が関与している場合、通常のアフタ性口内炎とは異なり、再発しやすく広がりやすい傾向があります。ヘルペスは小さな水疱から潰瘍に進行することが多く、カンジダは白い苔状の付着物が特徴で、免疫力が低下していると重症化することもあります。
薬の副作用
抗がん剤や免疫抑制薬、ステロイド、または一部の降圧薬や抗てんかん薬などの副作用により、口腔内に潰瘍が生じやすくなることがあります。これらの薬剤は粘膜にダメージを与えたり、免疫機能を低くださせたりする作用があるため、口内炎が長引いたり、治りにくくなることがあります。
全身疾患の一症状
長引く口内炎は、ベーチェット病や潰瘍性大腸炎、クローン病などの自己免疫疾患の一症状として現れることがあります。また、白血病などの血液疾患では免疫の働きが乱れ、口腔内に潰瘍ができやすくなることがあります。その他、HIV感染症など慢性的に免疫が低下する疾患でも、治りにくい口内炎が現れることがあります。
口腔がん
見た目は口内炎と似ていても、実際には舌がんや歯肉がんといった悪性腫瘍だったというケースもあります。特に、潰瘍が硬く盛り上がっていたり、出血しやすかったり、2週間以上経っても全く治癒の兆しがない場合は、早期に専門的な検査を受けることが重要です。
長引く口内炎は、単なる「できもの」として片づけられがちですが、実際には痛みが強く、食事や会話がつらくなることがあります。また、熱いものや酸っぱいものなどの刺激物が患部にしみることで、食事が億劫になる方も少なくありません。さらに、同じ場所に何度も繰り返しできたり、潰瘍が広がったり硬くなったりと、炎症の状態が悪化するケースも見られます。赤みを帯びてただれたり、出血しやすくなったりすることもあります。
2週間以上経っても改善が見られない場合は、早期の受診が必要です。
ひとつでも当てはまるようであれば、早めに歯科や口腔外科を受診することをおすすめします。
治りにくい口内炎の原因を明らかにするために、以下のような検査が行われます。
視診・触診
潰瘍の形状、大きさ、硬さ、位置などを確認します。
病歴の聴取
発症のきっかけ、症状の経過、生活習慣、薬の使用歴などを詳しく聞き取ります。
血液検査
栄養状態、免疫機能、炎症の有無、全身疾患の有無を調べます。
細菌・ウイルス検査
ヘルペスウイルスやカンジダなどの感染を確認します。
細胞診・組織検査
がんの疑いがある場合は、患部の一部を採取して詳しく検査します。
これらの検査を総合的に評価し、原因に応じた治療が行われます。
口内炎が長引く背景には、以下のような疾患が隠れていることがあります。
アフタ性口内炎
よく見られる口内炎で、ストレスや栄養不足、免疫低下が関与しています。
カンジダ性口内炎
真菌(カンジダ)によるもので、白い苔のようなものがつくのが特徴です。
ヘルペス性口内炎
ウイルス感染により、水疱と潰瘍が広範囲にできることがあります。
ベーチェット病
再発性の口内炎とともに、目や皮膚、関節などにも炎症が起こる全身疾患です。
白血病などの血液疾患
免疫力低下や出血傾向により、治りにくい潰瘍が現れることがあります。
口腔がん(舌がん・歯肉がんなど)
2週間以上治らない潰瘍や硬いしこりは、がんの可能性を否定できません。
原因に応じて、以下のような治療が行われます。
薬物療法
ステロイド軟膏や抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬、鎮痛薬などを使用します。
栄養補給
ビタミンB群や鉄分、亜鉛などを補うことで、治癒を促進します。
局所処置
うがい薬やレーザー治療で患部の炎症を抑えます。
入れ歯や歯の修正
慢性的な刺激源がある場合は、調整や再製作が必要です。
全身疾患の治療
根本的な疾患がある場合は、医科と連携して全身管理を行います。
がんの場合
がんの種類や進行度に応じて、外科手術・放射線治療・化学療法などを検討します。
「口内炎なんて放っておけばそのうち治る」と思いがちですが、2週間以上治らない場合には何らかの異常が隠れている可能性があります。特に痛みが強い、繰り返す、出血する、硬くなっているといった特徴があるときは、専門の検査を受けることが大切です。
当院では、単なる炎症として見逃さず、必要に応じて詳細な検査と医科との連携を行い、適切な治療をご提案しています。ご自身の健康を守るためにも、気になる口内炎があればどうぞお気軽にご相談ください。
TOP