こんにちは。東京都港区「虎ノ門駅」より徒歩30秒にある歯医者「まさいデンタルクリニック」です。
歯を失う原因の第1位は歯周病です。歯周病にかかっている人の割合は、55歳以上で55〜60%、45〜50歳で50%、35〜44歳でも40%と非常に高く、大切な歯を守るためにはしっかりと対策しなければなりません。
この記事では、歯周病の症状や原因、治療法などついて詳しく解説します。セルフチェック方法もご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
歯周病とは
歯周病は、細菌の一種の歯周病菌によって起こる炎症性の病気です。歯周病は、歯茎や歯槽骨と呼ばれる顎の骨など、歯を支えている歯周組織が歯周病菌によってダメージを受けます。
歯周病菌に感染すると、歯茎が炎症を起こして赤く腫れたり、歯磨きの際に歯茎から出血したりします。初期段階では痛みなどはほとんどなく、気づかないうちに進行するのが特徴です。
悪化すると、膿が出る、歯茎が破壊されて歯がグラグラするといった症状が見られるようになります。さらに進行すると、歯を支えている顎の骨が壊されて歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病のセルフチェック方法
歯周病は気づかないうちに進行することが多いため、日頃から歯茎やお口の中の状態を注意して観察する必要があります。次の10個の項目について、自分が当てはまるかどうかをチェックしてみましょう。
- 口臭が気になる(指摘された)
- 歯磨きの際に出血する
- 起床時に口の中がネバネバする
- 歯茎が腫れている
- 歯茎の色が赤い、黒ずんでいる
- 歯茎が下がって歯が長く見える
- 歯の隙間が目立つようになってきた
- 歯の間に食べ物がはさまりやすい
- 歯が浮く感じや、グラつく感じがある
- 1年以上歯科検診を受けていない
ひとつでも当てはまる項目がある場合は、歯周病の可能性があります。早期に歯科医院を受診してください。特に、当てはまる項目が多い場合は、歯周病が進行しているおそれがあるため、早めに受診して口内の状況を確認してもらう必要があります。
当てはまる項目がない場合も、歯周病はもちろん虫歯などの予防・早期発見のために、少なくとも1年に1回は歯科検診を受けましょう。
歯周病の原因
歯周病の原因は、口の中にいる歯周病菌です。人の口の中には常に400~700種類もの細菌が存在しています。良くない働きをする細菌もいますが、口内や身体が健康な状態なら通常はあまり悪さをすることはありません。
しかし、歯磨きが不十分だったり、糖分を含むものを多く取っていたり、条件が揃うと悪い菌が増殖します。歯の表面に付着して形成されるのが、歯垢(プラーク)です。
プラーク内は空気を嫌う細菌にとって非常に居心地の良い環境で、1mgのプラーク中に1億を超える細菌が潜んでいることがわかっています。
中でも歯周病の原因菌はプラーク内の環境を好みます。プラーク中でさらに増殖して、毒素を発生します。この毒素によって歯茎が炎症を起こし、歯周病が発生・進行していきます。
さらに、全身疾患や、生活習慣、口の中の状態なども歯周病を進行させる危険因子(リスクファクター)になることがわかっています。例えば、糖尿病や骨粗しょう症を患っている方、免疫抑制剤を長期的に使用している方は、歯周病のリスクが高いです。
生活習慣としては、歯磨きが不十分なことや、不規則な食生活、喫煙習慣などが挙げられます。口呼吸をしている方や、間食が多い方、ストレスを溜め込んでいる方も、歯周病のリスクが高いといえます。
また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、日頃から歯周組織に過度な負担がかかっているため、歯周病が発生・悪化しやすいです。
歯周病が進行するとどうなる?
歯周病は、ある日突然症状が現れるのではなく、徐々に悪化していく進行性の病気です。歯周病が進行すると、どのようなことが起こるのでしょうか。
歯茎が下がる
歯周病が進行すると、歯茎が炎症を起こして下がっていく歯肉退縮が起こることがあります。歯の根元が露出するため歯が敏感になり、冷たい飲食物を食べられなくなる方もいます。また、歯が長くなったように見えるなど、審美性にも大きな影響を与えます。
歯の根にはエナメル質がなく虫歯が発生・悪化しやすいとされているため、露出した場合は注意しなければなりません。
歯がグラグラする・抜ける
歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が徐々に溶けていきます。歯がぐらつき始め、日常の食事や会話で不快感を覚えるようになるでしょう。
さらに進行し続けると、歯を支える骨の大部分が溶かされて最終的には歯が抜け落ちてしまいます。上述しましたが、歯周病は成人が歯を失う主な原因の一つであり、適切な治療を受けなければ複数の歯を失うリスクがあります。
歯を失うと噛む力が低下し、食生活や栄養摂取にも影響を与えるかもしれません。
口腔機能を保てない
歯周病が進行して歯がぐらついたり失われたりすると、口腔内の機能が大きく損なわれます。噛む力が弱くなり食べ物をうまく噛み砕けなくなるほか、発音にも影響が出ることがあります。
また、口元の見た目に自信を失い、心理的な負担を感じる可能性もあるでしょう。
全身に悪影響を及ぼす
歯周病は、口腔内だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼす病気です。歯周病の細菌や炎症が血流を通じて体全体に広がると、心臓病や糖尿病のリスクが高まることがわかっています。
さまざまな病気の原因になる可能性や、病気を悪化させる可能性があるのです。
歯周病の治療方法
歯周病の治療方法を確認しましょう。
歯周基本治療
歯周病の進行度合いに関わらず、最初に行われる治療です。歯周病の原因となる歯垢(プラーク)のコントロールが主な目的です。
具体的には、スケーリング、ルートプレーニング、ブラッシング指導を実施するケースが多いです。
スケーリングとは、スケーラーと呼ばれる専用の器具を使って、歯の表面や歯と歯茎の境目に付着した歯垢・歯石を除去する処置です。ルートプレーニングは、歯周ポケットの中の歯垢・歯石を除去して、汚れの再付着を予防できるように表面をツルツルに磨き上げる処置です。
ブラッシング指導では、患者様がご自身でしっかりと歯垢を落とせるように、正しい歯磨き方法をお伝えします。歯間ブラシやデンタルフロスの選び方、使い方などについてもアドバイスすることが多いです。
歯周外科治療
歯周基本治療を続けても症状が改善しない、悪化しているといった場合に、検討される治療法です。
歯周ポケットの奥深くまで歯垢や歯石が付着していると、スケーリングやルートプレーニングだけでは十分に汚れを取り除けません。そのため、麻酔をして歯茎を切り開き、歯の根に直接アプローチします。
歯周組織再生療法
歯を支える骨や周辺組織のダメージが大きい場合に、歯周外科治療と同時に行われることが多い治療です。骨や周辺組織の再生を促す薬を使います。
歯周組織が再生されれば、歯が抜け落ちてしまうのを防ぐ効果が期待できます。
内服
歯周基本治療や歯周外科処置と併せて、抗菌薬などの内服薬が用いられることがあります。唾液検査をして歯周病の種類や数、活性度合いなどをチェックした上で、より効果の期待できる薬を処方します。
歯周病治療の費用目安
歯周病の治療には、基本的に健康保険が適用されます。
ただし、実際にかかる費用は、歯周病の進行度合い、口の中の状態、治療の回数や通院の頻度などによって変動します。健康保険3割負担の場合の費用の目安は、以下のとおりです。
<進行度別の治療費目安(保険適用・3割負担)>
進行度 | 1回あたりの治療費 | 必要な治療回数 |
---|---|---|
ごく軽度 | 3,000円〜4,000円 | 1~2回程度 |
軽度 | 5,000円〜1万円 | 3~4回程度 |
中度 | 1万〜1万5,000円 | 5~7回程度 |
重度 | 1万5,000〜2万円 | 8~10回程度 |
歯周病が進行するほど1回あたりの治療費が高くなり、必要な治療回数も多くなります。費用負担を抑えるため、大切な歯を守るためには、できるだけ早い段階で治療を開始するのが理想です。
ただし、保険診療では1回あたりの治療で行える内容が限定されています。通院回数を抑えたい、治療期間を短くしたいといった場合には、自費診療で治療を受けることも可能です。
自費診療の場合の代表的な治療の費用の相場は、以下のとおりです。
- 歯周病検査:1〜3万円
- スケーリング:3,000円〜1万円
- ルートプレーニング:1,000円〜1万円
- 歯周外科治療(フラップ手術):1〜10万円
- 歯周組織再生療法:5〜15万円
保険診療以上に費用の幅が広いのが自由診療の特徴です。治療を受ける際は、事前に価格や回数の目安をしっかりと確認しておきましょう。
まとめ
歯周病は誰もがかかるリスクのある病気です。気づかないうちに進行して大切な歯を失う原因になるだけでなく、全身の健康にもさまざまな悪影響を与えます。
進行するほど治療が大がかりになり、治療を受ける人の負担も大きくなります。日頃から定期検診を受けて、早期発見を心がけましょう。
少しでも気になることがある場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診することが大切です。
歯周病治療を検討されている方は、東京都港区「虎ノ門駅」より徒歩30秒にある歯医者「まさいデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療、矯正治療、インプラント治療など、さまざまな診療に力を入れております。診療案内ページはこちら、ご予約・お問い合わせも受け付けております。